医療過誤で病院側に追求できる法的責任について
医師や看護師などの医療従事者の過失により不利益をこうむった際、病院側の責任を追及することになるかと思います。
しかし医療過誤を起こしたと仮定した場合、病院側の責任とはどのようなものになるのでしょうか。
今回は医療過誤により病院が負う法的な責任について確認していきたいと思います。
医療過誤には民事・刑事・行政上のすべてで責任が発生する可能性があります。
具体的にどのようなことが考えられるのか項目別に確認していきましょう。
【民事上の責任】
医療過誤の民事上の責任とは、多くが損害賠償にかかわるものだと思われます。
医療過誤によって患者が障害を負ったり、死亡した際に発生する損害に対しての賠償責任です。
損害賠償には療養看護にかかる費用はもちろんのこと、休業損害・後遺症が残った際にはそれが原因で得られなくなった利益(逸失利益)の損害賠償、
死亡した際にも死亡していなかったら得られた利益の補填などさまざまな種類の損害賠償が含まれます。
ただし注意が必要なのは損害賠償が発生するのは病気や怪我の医療行為において医療過誤が発生し、その過失と因果関係がある場合のいとなります。
【刑事上の責任】
医療過誤によって患者が後遺症を負った、もしくは死亡した際には当該の医療処置をおこなった医療従事者は業務過失致死傷罪に問われることがあります。
刑法によると業務上必要な注意を怠り人を死傷させた者は、5年以下の懲役もしくは禁錮、
または100万円以下の罰金に問われるとあります。
医療過誤において処置した医療従事者が逮捕されるケースは多くありませんが、
過失の度合いにより、例えば人が死亡していると執行猶予つきではありますが禁錮刑に処されることもあります。
ただし、過失が比較的軽いものであったり、患者と示談が成立している場合には不起訴処分になることもあるようです。
【行政上の責任】
医師法には罰金以上の刑に処された者、医事に関して犯罪・不正がある者・麻薬中毒者・医師の業務を適正におこなえない者
医師としての品位を損する者、いずれかにに該当すると厚生労働大臣により処分されることがあります。
医療過誤の場合は、罰金以上の刑に処された者がこれに該当します。
具体的な処分は3つに定められており、戒告・3年以内の医業の停止・免許の取り消しになります。
なお上記3つの処分を厚生労働大臣がおこなうには、あらかじめ医道審議会に意見を聞かなくてはいけません。
以上が医療過誤における病院側へ追及できる法的な責任でした。
このように医療過誤にはさまざまな観点から責任を追及出来、また追及されることがあるのです。
そのため医療過誤が発生した場合、どちら側の立場であっても早め早めの対応が大切になってきます。
患者側であれば証拠が隠ぺいされないように保全することが大切になってきますし、
病院側に関しては示談を成立させることが出来れば不起訴処分の可能性が高まります。
早い段階で一度医療に強い専門家に相談することが解決までの最短の道筋になるかもしれません。
馬場戸山口法律事務所では、「人生に降りかかる様々なトラブルを総合的に解決できる法律事務所」をモットーに、
長年事務所を構えている新宿区の高田馬場を中心に、東京・神奈川・千葉・埼玉にお住まいのお客様よりご相談いただいております。
医療過誤でお困りの場合はぜひご相談ください。
Base Knowledge
当法律事務所が提供する基礎知識
-
建築紛争の種類
建築紛争とひとくちで言っても大きく3つに分かれます。また3つに分かれた中にも更に小さく細分化されます。では、具 […]
-
セカンドオピニオンが...
セカンドオピニオンという言葉を目にしたり耳にしたことがあると思います。広辞苑でセカンドオピニオンを引いてみると […]
-
カルテ開示を拒否され...
医療過誤による損害賠償請求を行う場合、病院側の過失を立証するのは請求する患者側です。そのため、患者側は病院側に […]
-
セカンドオピニオンを...
セカンドオピニオンとは直訳すると「第2の意見」という意味です。法律問題で困った際に一人の弁護士の意見だけでなく […]
-
相続・遺言
相続とひとくちに言っても、問題は様々にあります。終活の一環として遺言書を残したいといったものから、相続人や財産 […]
-
借金問題・債務整理
借金をする理由や金額は人の事情によって、違います。事業の失敗、株式やFX、仮想通貨などの取引による損失や、パチ […]
Search Keyword
よく検索されるキーワード
-
- 高田馬場 刑事事件 法律事務所 相談
- 早稲田 債務整理 法律事務所 相談
- 新宿区 不動産トラブル 弁護士 相談
- 新宿区 債務整理 法律事務所 相談
- 高田馬場 相続 弁護士 相談
- 新宿区 相続 弁護士 相談
- 新宿区 企業法務 法律事務所 相談
- 早稲田 相続 法律事務所 相談
- 新宿区 相続 法律事務所 相談
- 早稲田 不動産トラブル 法律事務所 相談
- 早稲田 不動産トラブル 弁護士 相談
- 早稲田 企業法務 法律事務所 相談
- 早稲田 刑事事件 弁護士 相談
- 高田馬場 相続 法律事務所 相談
- 早稲田 離婚 弁護士 相談
- 新宿区 債務整理 弁護士 相談
- 新宿区 不動産トラブル 法律事務所 相談
- 新宿区 交通事故 弁護士 相談
- 高田馬場 離婚 法律事務所 相談
- 高田馬場 不動産トラブル 弁護士 相談
Office Overview
事務所概要
名称 | 馬場戸山口法律事務所 |
---|---|
所属 | 共同代表 弁護士 長谷川浩一、弁護士 鈴木弘美 |
所在地 | 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4-4-11 内藤ビル4E号室 |
電話番号 / FAX番号 | 03-5358-9582 / 03-5358-9583 |
対応時間 | 平日:10:00~18:00 |
定休日 | 土・日・祝 ※事前予約で土曜の時間外対応可能です。 |